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アルねこすたーに。

アルパカとねこすけとハムスターと犬です。

レビュー:ロードムービー

読書

@Pandora_Ovis さんから頂いた誕生日プレゼント本!最後まで大事に読ませていただきました! ありがとうございます!

辻村深月の「ロードムービー」を読みました。

帯に「この順番で読めば、辻村ワールドがより楽しめる!」と書いてあり、作品順に「凍りのくじら」「スロウハイツの神様」「冷たい校舎の時は止まる」「子供たちは夜と遊ぶ」「ぼくのメジャースプーン」「名前探しの放課後」「光待つ場所へ」「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」とあります。

私はだいぶ順番をバラバラに読んでますが、この本は短編集として十分読めます。 辻村深月の作品に入るのにもちょうどいい一冊だと思います。

ロードムービー (講談社文庫)

ロードムービー (講談社文庫)

ロードムービーは5つの短編集から出来ています。

私が気に入ってるのは「トーキョー語り」と「雪の降る道」。

トウキョーから転校して来た、という薫子。 主人公のさくらはトウキョーから転校して来た薫子に憧れなどを抱く。 その一方で、同じく転校して来た遠山さん。 遠山さんは持って来てはいけない携帯電話を肌身離さず持っていた。 薫子は実はトウキョーから転校して来たわけではないこと、遠山さんの携帯電話所持をいいつけた子。 謝りに行く子達。 奔走していく女の子の好奇心と嫉妬が入り混じります。 最終的には、本当は遠山さんは東京からやってきたというオチ。 田舎の子どもたちは東京から来たというだけで、ワーっとなるのか…と思いながら読んでましたが、確かに芸能人に会ったことあると風潮すればすごーいとなります。 人の目を引くのに必死になってしまい、逆に首を絞めて行った薫子の姿は痛々しかったです。 遠山さんの友達と今でも連絡を取りたいから携帯電話を持っているというのは一人だけさみしかったんだろうなぁと思いました。 田舎コンプレックスが伝わる話でしたが、それが自分の生きる場所になれば、関係ないのかなと思います。

「雪の降る道」はみーちゃんとヒロの話。同じ名前のヒロちゃんを亡くしたヒロは、引きこもりになり、それを心配して宝物を毎日持ってくるみーちゃん。 みーちゃんの健気さと、教育の行き届いていながら子どもらしい素朴さはあっぱれと言わずにはいられない育ちの良さ。 ヒロはそんなみーちゃんを邪険に扱い、みーちゃんは真冬の雪の降る中、行方不明になってしまいます。 みーちゃんなんかいなくなっちゃえ、というヒロの言葉、宝物は絶対探して来るからね、というみーちゃんの行き違い。 中学生のスガ兄がヒロの成長を助け、みーちゃんのいる家に行き着きます。 雪の中で咲いている椿の描写はとても美しかったです。 行方を見つけたスガ兄とヒロはみーちゃんを連れて家に帰ります。 最後まで健気なみーちゃん、純真無垢を貫いた話でした。