森絵都の「この女」を読みました。 始まりが暗く、意味深な雰囲気で始まります。 森絵都にすっかりハマっていた私は、こんな本も書けるのかー!という一冊でした。
- 作者: 森絵都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/06/10
- メディア: 文庫
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「この女」の始まりは阪神淡路大震災の直後。 名前だけは出てくる謎の男の小説が出てきた、と教授が元教え子に手紙を書くところから始まります。 謎の男、礼司は西成に住む浮浪者だったが、大学生がレポートを書きに西成に来て、色々世話を焼いてあげる。 そして、レポートを代筆したところ、あまりに出来が良くて、「妻の小説を書いて欲しい」という依頼がくる。 そして、いろいろあり…さぁ!気分を変えて再出発!というところで物語は終わります。 そして、冒頭を読み返してみる…と合点がいく。
礼司と結子の再出発までの関係の曖昧さが読み進めて行くに連れて明るくなるところが読みどころ。 礼司に救いはあったのか、なかったのかがまた謎めいてます。 私はつかの間の幸せは手に入れられたんだろうなぁ…と思いながら、読み終えました。